「超回復力」でより良いコンディション作りを!

日頃からスポーツを頑張っているジュニアアスリートたち。日々の練習やトレーニングはもちろん、試合などで身体への負担が大きかった時には、やはり疲労の蓄積も多くなります。
実は人間の身体には、トレーニング等で疲労した身体を回復させる際、トレーニング前のコンディションよりももっと良いコンディションに整えるという「超回復」という力があります。つまり疲労や負担は悪者ではなく、むしろ適切な負荷をかけて疲労を感じ、うまく回復させてあげることで良いコンディション作りにもつながるのです。

食事と睡眠をサポートする入浴

それでは、たまった疲労を上手に回復させるにはどのような方法があるでしょうか。プロのスポーツ選手でも気を配ることとして、食事と睡眠があります。ジュニアアスリートの皆さんも、バランスの取れた食事や良質な睡眠を心掛けているのではないでしょうか。
この「食事」と「睡眠」の効果をより一層高める為に必要なのが、入浴です。食事は身体に栄養を取り入れるための行為ですが、栄養を身体の各部に運ぶのは血液です。正しい入浴方法によって血液の流れを促進することで、栄養も身体の隅々までいきわたるようになります。また、良質な睡眠を得るためには身体の奥の体温(=深部体温)の適切な上昇と低下がポイントとなりますが、それも入浴によってコントロールすることができるのです。

さらに入浴には、水中での浮力によるリラクゼーション効果、血流が良くなることによる内臓の働きの活発化、足など身体の下の方にたまった血液の循環など様々なメリットがあります。

何℃で? いつ?どうやって? 最も効果的な入浴方法は?

具体的にはどのような方法で入浴すると、効果が得られるのでしょうか。ポイントは、温度とタイミング、そして入り方です。

まずお湯の温度ですが、夏は約 38℃、冬は 40℃くらいのお湯に 10~15 分程度入ると、しっかり深部体温が上昇し、副交感神経が優位になってリラックス状態になります。これより高い温度で入浴した場合、深部体温ではなく表面の体温が上昇し、交感神経が優位になってリラクゼーション効果が得にくくなってしまいます。
また就寝 1~2 時間前までに入浴を済ませることも大切なポイントです。入浴によって上がった深部体温は、入浴後徐々に下がっていきます。体温が下がると眠気も誘因されるため、1~2 時間かけて体温が通常に戻った頃就寝すると、寝つきもよくぐっすり眠ることができます。
次に入り方ですが、疲労回復を目的とした場合、胸の下辺りまで浸かって入浴すると良いでしょう。また湯船で温まった後、シャワーで水を浴びると血液の流れもさらに良くなり、疲労回復の効果が高まります。ただし水を浴びることで風邪をひいてしまうこともあるため、無理をせず、浴びる場合には心臓から遠い手足から順番にする等の配慮を忘れないでください。

特に夏場など、毎日の湯船に浸かっての入浴は億劫に感じたり、暑くて嫌がるお子さんもいるかと思いますが、疲労回復という観点からの重要性を感じていただき、ジュニアアスリートの身体作りに役立てていただければと思います。